「食のしあわせプロジェクト」とは?
めざせ地産地消100% 子どもたちの給食にご支援を!
学校・園の給食への地場産物の購入・活用、環境にやさしい農業の普及、こども食堂の運営支援などに取り組むことで、子どもたちや保護者への食育の推進、農業・漁業の活性化、地域経済の循環などを目指します。
【プロジェクトのねらい】
①地場産物を給食の食材として活用することで子どもたちの豊かな食経験、健やかな成長の一助とするとともに、地場産物を適正価格で買い上げることにより、物価高騰の影響を大きく受けている農業者などの負担を軽減します。
②給食に使用する農産物を、農業者から品質に見合った価格で買い上げることにより、出荷量や協力農業者数の増加につなげます。また、化学肥料や化学農薬の使用量低減など環境にやさしい栽培技術の検討・実証・普及を行うことにより、農業の生産力の向上と持続性の両立につなげます。
③様々な課題を抱える子どもたちが、給食などの「食」を通じて、それに関わる人とのつながりを感じることで前向きな気持ちを持つよう、地域の大人たちが連携して子どもたちを見守るまちをつくります。
給食で食の基礎を育むことの大切さ
給食は、年間200食程度と子どもたちの食生活にとって非常に大きなウエイトを占め、大人になってからの食生活にも大きな影響を与えると考えられます。
給食は子どもたちの元に届くまでに、食材を生産する農業者、運搬する人、調理や加工をする人など多くの人の手間がかかっています。給食に地場産物を使用し、その食べ物の背景にある作り手の思いや苦労などを伝えることで、地域との顔が見える関係を築き、子どもたちは地域からの愛情を感じることができます。また、旬の食材や行事食等を通して、地域の自然や文化に興味を持つ子どももいるでしょう。
さらに、自分自身が食べている物や食事に関心を持つことで、「おいしく楽しく食べることは、嬉しい楽しいこと」、「自分の体は自分の食べたものでできている」という感覚を養い、命の大切さや食への感謝の気持ちを育むことで、生涯にわたって健やかに生きるための基礎を培うことになり、次世代へその大切さを伝えることにつながるのです。
本市の給食の現状
市内には、公立・私立の保育園・こども園11園、幼稚園4園、小学校9校、中学校3校があり、毎日約3,900人が給食を食べています。
平成26年度から学校給食へ地場産物を積極的に活用する取り組みをスタートし、導入された野菜は平成29年度16品目、令和5年度には23品目と増加しています。しかし、年間の取扱数量(重量ベース)に占める瀬戸内市産の割合は令和3年度6.1%から令和5年度23.9%に増加したものの依然として低い状況です。
農業者を取り巻く現状
本市の農家戸数は、平成17年には2,121戸ありましたが、令和2年には1,195戸と大幅に減少しています。また、農業産出額は、平成17年の55億円から令和2年には39億円に落ち込んでいます。
一方で、市内の遊休農地は、平成29年度の36haから令和5年度は74haに増加しており、今後も高齢化などによる担い手の不足により、遊休農地の増加が懸念されます。
給食に地場産物の活用を増やすための取り組みと課題
給食への地場産物は、市内の農業者等で組織する団体が、学校給食調理場等から発注された野菜を農家一軒一軒まわって集荷し、調理場等への納入者である青果店に納品されます。その運営費は、これまで納品する農業者自らが全額負担しており、高品質な生産物に見合った収益は得られず、出荷量や協力農業者数が増加しない大きな要因になっていました。
そこで、令和4年10月から皆様からのご寄附を活用させていただき、令和5年度から農産物を適正価格で購入し、納入価格に応じた手数料を市が負担をする運営を開始しており、幼稚園・小・中学校の学校給食のみならず保育所の給食への地場産物の提供も行っています。
また、調理場の栄養教諭や保育所の栄養士と生産者が協力して年間を通じた必要量や品目を確保するための連絡調整や、環境負荷を低減するための栽培技術講習も始まり、関係者の思いもより強くなってきています。
しかし、新しい運営はまだまだ始まったばかり。子どもたちに地場産物給食が定着し、この取り組みを持続させるためには、もっと多くの地場産物を納入する必要があり、皆様からのご支援が必要です。子どもたちの笑顔のために、是非、ご協力をお願いします。
子どもたちの給食に込めた思い
-
- 山﨑 裕史さん(せとうちのびのび自然畑)
- 10年ほど前に京都から移住し、農薬や化学肥料、動物性たい肥を使用しない農業を営んでいます。子どもが生まれたことを機に「自分の育てた野菜を給食で子ども達に食べてほしい」と強く思うようになり、情報収集している際に学校給食に地産品導入を推進している有志の方々がいることを知り参加させていただくことになりました。
有志の方々や行政の皆様のおかけで息子が小学校に入学する前に自分が育てた野菜を給食で使用していただく仕組みができました。
生産者としてサツマイモやジャガイモを納品するだけでなく、学校給食を利用させていただく子の親として、そして生産者と学校給食を作る調理場とをつなぐ立場として「食のしあわせ」を子ども達に実感してもらえるようにと日々取り組んでいます。
現在私は、生産者さんから野菜を受け取り、調理場への納入者である青果店に納品する役割も担っています。ただ野菜を運ぶだけでなく、生産者さんの考えや想い、青果店、調理場の考えや想いをそれぞれに伝え、届けることで相互理解を深め信頼の醸成を高めるように努めています。
給食に関わるすべての皆様で子ども達の「食のしあわせ」を考え、取り組んで行けたらと思います。
-
- 末田 みどりさん
- 脱サラし、農家さんの元で一から修業し、2年前独立する際に瀬戸内市邑久町虫明に移住してきました。紹介された農地が山の斜面の耕作放棄地だったので、最初に思いついたのが害獣、害虫、病気に強いと言われる青パパイヤの栽培でした。そのまま実行し、栽培することに…害獣の被害がないということでしたが、やはりイノシシに根っこを荒らされ苗を何本も倒され、電柵を設置することになりました。
他にじゃがいもやオクラなど少量多品目を無農薬で有機栽培しています。特に第7の栄養素と言われる「ファイトケミカル」を多く含む野菜や珍しい野菜を栽培し、「皆さんに健康とワクワク感を提供!」をコンセプトに農業に励んでいます。
ファイトケミカルとはポリフェノール、β-カロテンやリコピンなどの色素やネバネバの成分のことで抗酸化作用や生活習慣病や老化を予防する効果が期待されています。子どもたちの給食にもこの健康とワクワク感を届け、貢献できればと参加しています。日々の体調を薬ではなく、野菜などの食物で調整できるようになってもらえれば、と願います。
-
- 糸井 大介さん(株式会社晴々農場 代表取締役)
- 就農前は東京で経営コンサルタントの仕事をしており、国内外を飛び回っては趣味で各地の食事を楽しんできました。海外では日本人の食に対する繊細さ・豊かさを再認識する一方、食品の安全性に不安を感じるニュースが流れて、安心できる食材を自分で作ることができる農業に興味を持ち始めました。
岡山の企業に通っていたとき、食べ物がとてもおいしく、町の雰囲気が良かったことから、ここで仕事がしたいと思い、54歳の時、会社を辞めて農業に転身しました。アルバイトを経て、仲間と試行錯誤しながら、農業で晴々と楽しく元気に働いて、消費者の皆様に美味しいと言っていただける物を届けたいと、お米とナス、トマト、ニンニク、大根など季節に応じた野菜を栽培しています。
給食にはナスを納品しています。スーパーなどの小売りでは、収穫してから消費者の皆様の口に入るまで何日もかかりますが、給食は収穫して遅くても翌日には調理されます。新鮮な本当の野菜の味は甘くさわやかで香りもすがすがしいものです。子どもたちに本物の味を知っている大人になってほしい、さらに願わくば、おいしい給食を食べることで、植物や動物への興味がわいて、将来生物について学ぶきっかけにつながるととても嬉しいです。
-
- 藤原 雅子さん(長船学校給食調理場 栄養教諭)
- 瀬戸内市の給食には、地元の生産者の方々が心をこめて作ったさまざまな種類の地場産物が使われています。それらの地場産物を子どもたちにおいしく食べてもらうために私たち栄養教諭や調理員は、日々の給食作りに励んでいます。
子どもたちには、瀬戸内市には新鮮でおいしい地場産物がたくさんあることを知り、自分たちの住む地域に関心や誇りをもってほしい、また給食にはさまざまな人が関わって作られていることを知ってほしいという思いを込めて、給食時に、栄養教諭が地産地消のお話をしたり、生産者の方から作っている野菜のお話や食育紙芝居をしたりして、連携して活動するようにしています。
瀬戸内市立福田保育園
乳幼児期は、生涯にわたる食習慣の基礎をつくる重要な時期です。
そのため、毎日の園生活での「食事」をとても大切なことと考え、多様な食品や旬の食材を使用し、季節感のある内容豊かで安全な給食を目指しています。
保育園給食では、地元の生産者の方が心を込めて作った地場産物が使われています。地場産物がたくさん使われた給食は、子どもたちにも好評です。
5歳児は毎日3色ボードで食べ物のはたらき別に食材を分け、自分たちが食べている物や食事に関心を持っています。
今後も、給食を通して子どもたちに瀬戸内市の新鮮でおいしい地場産物の存在を伝えながら、子どもたちの心と体の健やかな成長を願い、日々の給食作りをしていきたいです。
こども食堂による居場所づくりと食の支援
食に関する価値観やライフスタイルの多様化等が進んだ現代では、子どもが一人で食事をする「孤食」や子どもだけで食事をする「子食」も増えており、成長期の子どもたちにとっては、孤独感や栄養面からも大きな問題となっています。また、家庭環境の違いにより、食の格差も生まれています。
その他にも、様々な要因から貧困、虐待、孤立、ひきこもりなどの課題が発生しており、このような社会背景から、子どもたちを地域ぐるみで支援する取り組みの必要性が高まっています。
寄附金の使い道
皆様からの寄附金は、子どもたちに瀬戸内市の豊かな農産物を使った安全・安心でおいしい給食を提供し、それらを活用した食育を進めるため、また、子どもの居場所づくりなどにかかる費用、経費に活用させていただきます。
【令和6年度の取り組み概要】
❶ 小中学校及び幼稚園・保育園・こども園の給食における地産地消の推進
市が学校・園の給食向けの地場産物を適正価格で買い上げ、給食に提供します。
❷ 環境負荷低減農業推進支援
化学肥料や化学農薬の使用量低減など環境にやさしい栽培技術推進を支援します。
❸ 子どもたちや保護者への食育の推進
食育に関する出前授業や農業体験を通じて、子どもたちや保護者の食育を推進します。
❹ 子どもの居場所づくり
地域におけるこども食堂開設・運営の支援等を行います。
自治体から(市長 武久顕也からのメッセージ)
プロジェクトを応援することで、瀬戸内市の特産品がもらえます!
本プロジェクトは「ふるさと納税制度」を利用して寄附を募っています。
ふるさと納税とは、自分が選んだ自治体に寄附することで、税金の控除を受けられる制度です。
多くの自治体で地元の特産品や宿泊券などの「お礼の品」を用意しており、
また地域を応援する手段としても人気を集めています。
瀬戸内市出身の方、瀬戸内市を応援したいと思っておられる方、
市外在住、市内在住にかかわらず、どなたでもご寄附いただけます。
瀬戸内市の目指すまちづくりに、ぜひ寄附をお願いいたします。
※ふるさと納税の返礼品を受け取れるのは市外在住者のみになります。